巨大なゼリーの中に閉じ込められる妄想、あるでしょう。私の場合それは黄緑で、マスカットともグリーン・アップルともつかないフルーツ、間違いなくフルーツであることだけがわかる香料たっぷりのプルンプルンのゼリーが体を包んでいる。包んでいるという表現は状況的には正しいけど肉感的には正しくなくて、むしろ体の周りの空間(通常そこにあるのは空気)をゼリーが「満たしている」というのが本当のところなのかもしれない。満という字の感覚がこの感触に最も近くて、氵はこのとき最大効力を発揮する。巨大なゼリーはひたすらにふるえることだけが仕事みたいな風体、およそ安定という言葉からは程遠いありようでふるふると、ああふるふるという言葉はこの様子を見た人によって作られたのだろうと、心からそう思えるふるふるさでもってふるえる。書いたそばから覆すようで恐縮だけどこれはもしかすると意外にも非常に安定しているのかもしれない、だってほら、崩れることはないでしょう。ね?ふるふるとただふるふると右に左にこのゼリーはジェル・ゲル・ジェリィでもってときどきブルー、全体的にはグリーンだけどイエロー、たまにね。このまま生きていければいいって本当に心の底から思う、けどまやかしなのもわかる、わかっている、同時進行で妄想外の本当の自分と妄想街の嘘っこの自分が並走ラン&ランで、こんなだったら嘘っこで結構だって言いたいけど全然それは結構じゃない、これが本当に欠航になってくれちゃうのがフィク・ションなんだったらアタシもうフィク・ションの世界にずっといたいよ布団の中絶対鳴らない目覚まし今日は日曜明日も日曜家族全員一生世界旅行で家は空っぽアタシだけ、エッ、フィク・ションって・入れないでフィクションなの!?いやだ教えてよ早くバカあいつ嘘、教えやがったのね。あいつがホントの嘘っこよ、嘘嘘嘘で(口×3)+(虚×3)よ!絶対入れてやんないわよゼリー、世界が満ちるゼリー、高速道路からきっと見えるゼリー、このゼリー。絶対いれてヤンないわよ。
gopo gopo gopo gopo
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