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街道くん

アマチュアスポーツに耽溺するのはいかがなものかと思いながらも甲子園を見てしまう。甲子園には知らない名字がいっぱいあって楽しい。知らない高校生の名字をチェックするためだけに速報のページを見ては、静かに奮える。

今日だったか昨日だったかも覚えていないけど、街道くんという人が試合に出ていた。カイドーという語感は言いやすいし足腰が強い感じもするし、かっこいい。加えて街道。仲間内ではロードと呼ばれているのだろうか。もしかしたらロードウェイ、なのかも。

楽観パペポ

意外と大丈夫なんじゃないの、という言葉をかけられてからというもの本当にそんな気がしている一瞬といやいやそんなのはまがい物であって意外も糞もあったもんじゃないわという一瞬が交差している。この熱で発電ができたらきっと自給自足という言葉だってもう少し身近に感じられる。

産業廃棄物処理場で暫し労働していた友達はその間ひたすらニトリのベッドを解体していたらしい。それを聞くと意外と大丈夫じゃない気もする。

ノゼ

両親から直接教わったことの中でも印象深いものの一つが鼻毛カッターで、主に母がことあるごとに「鼻毛だけは切らないといけないよ」「鼻毛が出てるだけでアウトだよ」「何は無くとも鼻毛カッター」と繰り返してきたため、鼻毛カッターというものが極めて重要なアイテムであると思い込みながら育ってきた。母は上京の際の餞別品にもきっちり鼻毛カッターを忍ばせてくれたのでなかなか嬉しかったのだが、しかし東京にきて友人のいる前でカッターをヴィーンしたところ「お前、そんなもの使うのか」と大層驚かれたので、こっちも驚いた。じゃあお前さんは使わないのか、鼻毛とどう付き合っているんだ…?と聞いたところ生まれてから一度も使ったことがないということで、そんなもの使わなくても困らない程度の鼻毛しか生えていない=鼻から出てきたことはないらしかった。愕然とした。自分は出る側の人間なのだということを初めて知った。そしてその後もしばしばカッターをヴィーンしてるところを人に見られては訝しまれたり奇異の目で見られたりしてきたので、なんだか自分はすごく少数派なんだなと、月に一度か二度ほどヴィーンする際にしんみり思う。

今使っているカッターは母がくれた奴が壊れてしまったあと自分で買った二号機で、2年前に買った充電式のものだったのだが今の今まで一度も充電が切れたことがなく毎回不思議だった。そんなに強いことがあるか、こいつ本当は何か隠しているんじゃないか?

そんなカッターの充電がさっき初めて切れた。少し感動した。右鼻から始めて右の中で死んだので、左がまだ残っている今、このやや恥ずかしい状況について、誰も知らない。

スパイラルウォー

巨大なゼリーの中に閉じ込められる妄想、あるでしょう。私の場合それは黄緑で、マスカットともグリーン・アップルともつかないフルーツ、間違いなくフルーツであることだけがわかる香料たっぷりのプルンプルンのゼリーが体を包んでいる。包んでいるという表現は状況的には正しいけど肉感的には正しくなくて、むしろ体の周りの空間(通常そこにあるのは空気)をゼリーが「満たしている」というのが本当のところなのかもしれない。満という字の感覚がこの感触に最も近くて、氵はこのとき最大効力を発揮する。巨大なゼリーはひたすらにふるえることだけが仕事みたいな風体、およそ安定という言葉からは程遠いありようでふるふると、ああふるふるという言葉はこの様子を見た人によって作られたのだろうと、心からそう思えるふるふるさでもってふるえる。書いたそばから覆すようで恐縮だけどこれはもしかすると意外にも非常に安定しているのかもしれない、だってほら、崩れることはないでしょう。ね?ふるふるとただふるふると右に左にこのゼリーはジェル・ゲル・ジェリィでもってときどきブルー、全体的にはグリーンだけどイエロー、たまにね。このまま生きていければいいって本当に心の底から思う、けどまやかしなのもわかる、わかっている、同時進行で妄想外の本当の自分と妄想街の嘘っこの自分が並走ラン&ランで、こんなだったら嘘っこで結構だって言いたいけど全然それは結構じゃない、これが本当に欠航になってくれちゃうのがフィク・ションなんだったらアタシもうフィク・ションの世界にずっといたいよ布団の中絶対鳴らない目覚まし今日は日曜明日も日曜家族全員一生世界旅行で家は空っぽアタシだけ、エッ、フィク・ションって・入れないでフィクションなの!?いやだ教えてよ早くバカあいつ嘘、教えやがったのね。あいつがホントの嘘っこよ、嘘嘘嘘で(口×3)+(虚×3)よ!絶対入れてやんないわよゼリー、世界が満ちるゼリー、高速道路からきっと見えるゼリー、このゼリー。絶対いれてヤンないわよ。

gopo gopo gopo gopo

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