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霧雨で見えない…

湯気があまりにも凄すぎて何も見えない温浴施設に行った。本当に何も何も見えなくて、こういうとき人は案外焦るのだということを知った。少し呼吸困難に

何も見えないことに慣れてからは結構気分が良くて、うつつの中で最も夢に近い部分にいるような、全てのことが遠ざかる感覚にあった。湯気は霧のようでもあり、中2の頃学校行事で行った登山で遭った朝霧(山頂付近で視界が狭まりとっても死ぬかと思った)が思い出される。しかしそんな自分すら遠く、ここにあるのはただモアァ…と、その向こうにほのか見えるオレンジの、灯り…?のみ。思い出すだけで少しぞくぞくするようなイメージを手に入れた。やった。

そういえばお客も自分以外ほとんどいなかった。あれはもうすでに遠い、冬の日のマ・ヴォ・ロ・シ。

悪運子

おとといの夜から何かおかしい。皿を二枚も割り、鍋の具を床にぶちまけ、お気に入りの喫茶店はいつの間に潰れて更地になり、コインランドリーのボタン操作を間違えて400円吸われ、食生活は乱れ、寝坊し、体は思うように動かず、鼻毛を切り忘れ、自転車事故に遭いかけ、電車は遅れ、信号は目の前で次から次へと、赤に。凶の字の中のメのような体勢でアォン。

Kの丘

突然「カメリアの丘」という言葉が頭をよぎった。

そこに行ったことがあるとか、その言葉に何か思い入れがあるとかでは全然ないが、急に来た。

調べてみたら、松戸市にそういう丘があるらしい。東松戸ゆいの花公園、「『カメリア』とは、ツバキ科ツバキ属の学名です」とのこと。カメリアという言葉を聞いたことも見たこともなかったはず、なので花と知ってすこしうれしい。

松戸はアロハシャツの街だ、と聞いたことがあり、松戸育ちの先輩に「アロハ売ってるんすか」と尋ねたところ、そんなことは全くないしそんな情報がどこかで出回っているのも怖ろしい、ああ怖いああ怖い、といった反応をされて寂しくなったことを思い出す。アド街ック天国でやってたはず、なんだけど。